このページは・・・病気のお話-泌尿器科-LOH症候群


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泌尿器科疾患

内分泌・ホルモンの病気

LOH症候群とは、、


地元のミニコミ誌での掲載に端的にまとめてあります。


LOH(加齢男性性腺機能低下)症候群は、加齢による男性ホルモンの低下により、多くの臓器が障害され、生活の質が低下している状態です。はじめはストレスによる心身症の症状が多く、次第に男性ホルモンの減った症状がでてきます。
症状は多彩で、性欲や勃起能の低下、 疲労感・抑うつ・短気などの気分変調、 睡眠障害、知的活動・認知力・見当識の低下、筋力低下、内臓脂肪の増加、体毛・皮膚の変化、骨粗鬆症など。
治療は男性ホルモンの注射によるホルモン補充療法が主体で、疑わしい時は注射をして効果を確認しま
す。抗うつ薬、抗不安薬、勃起障害改善薬、漢方薬を併用することも有効です。


日本泌尿器科学会・日本 Men’s Health 医学会 がまとめた「LOH 症候群診療の手引き」では、
LOH症候群の症状および徴候として以下のものがあげられています。
1)リビドー(性欲)と勃起能の質と頻度,とりわけ夜間睡眠時勃起の減退

2)知的活動,認知力,見当識の低下および疲労感,抑うつ,短気などに伴う気分変調

3)睡眠障害

4)筋容量と筋力低下による除脂肪体重の減少

5)内臓脂肪の増加

6)体毛と皮膚の変化

7)骨減少症と骨粗鬆症に伴う骨塩量の低下と骨折のリスク増加

診断

診断は、ホルモンレベルの測定と問診によります。
ただし、ホルモンレベルが問題のない範囲でもホルモン補充療法をすると有効なことがあり、検査値にこだわらずにその人全体をみることが必要です。

治療

治療は基本的には、ホルモン補充療法です。
男性ホルモンの注射を定期的に行います。
3−4週毎に実施します。内服は高率に肝障害を生じるので、日本では認可されておりません。
注射による副作用はほとんどなく、多血症に留意をするくらいです。

LOH症候群や男性更年期障害は、まだはじまったばかりの分野です。
大抵の人は、自覚症状があり、悩んだ状態で受診をされます。
当院では、初診時に検査をすると同時にホルモン補充療法を行うことをお勧めしております。ホルモン補充療法により比較的はやく自覚症状の改善がみられます。3週毎に3回の注射をまずやってみましょう。
検査結果と注射の効果を確認して、継続かどうかを検討していくのが現状ではベストな方法と考えております。
もちろん、結果を確認して治療をしたいというご希望の場合は注射は再診時で構いません。